ブルーアワーに想う
夜明け前の世界は、一瞬青に包まれる。 東の空の始まりが白む地平線などは、 建物に隠れて見えることはないけど、 たしかにあるのだろう。 夜明け前や太陽が沈んだ直後などに 一瞬、世界が青くなる時間の事を ブルーアワーというそうだ。 私は、とりわけ夜明け前の時間が好き。 『今日』という1日の始まりに 顔を上げて胸を張りたくなるから。 日の出から日の入りまで 時間は等しく皆に訪れるけれど その時間の中身はそれぞれだ。 『今日』という1日に笑う人もいれば 『今日』という1日に泣く人もいるのだろう。 朝の5時に電車に乗る。 それはかつての通勤路。 電車内にはどこかへ出かける人たちの姿。 この日は平日の朝だった。 おそらく乗り合わせた皆は 早朝からどこかへ働きに行く人たち。 ご年配の方も多い。 私の目の前には白髪のご婦人が座っている。 茶色のロングコートに黒いリュックサックを前に抱えて おでかけというよりは、通勤といった雰囲気。 今乗車されてきて座ったので リュックサックからテッシュを1枚出して鼻をかんだ。 あと15年経てば私もあれくらいの歳になる。 その時に、こんな早朝から働きに出るかもしれない。 そう思うと胸がキュッと縮こまった気がした。 けど、それは私の勝手な思い込みで 本当は、このご婦人にも何か楽しみがあって働いている。 だから、この電車に乗っている…… のかもしれないと思いたかった。 早朝や深夜に働くということは 何か訳アリ感が増す。 同じ電車に乗り合わせた人たちの向こう側を 思わず想像してしまう私。 あまり良い趣味ではないなと自分でも思う。 だけど、それは世間の目で想像するからだ。 やりたいことや、優先したいことがあって 1日に24時間しかないから仕方なく 多くの人が働く時間ではない時間を 勤労に充てる人もいるし 実際、子育て中の女性が夜勤帯のコールセンターに 増えているという事実もある。 私はコールセンターではなかったけど 子育て中に夜勤をしていた。 これの良いところは子供の発熱時などに 比較的、仕事に穴を開けずに済む点だった。 だけど、ひとり親などのご家庭では これは成立しないかもしれない。 他にも、推し活生活を中心に生きている方にも 夜勤や早朝勤務が良かったりするらしい。 仕事が終わってから嬉しそうに 「今からヨドバシカメラで並ぶんですよ...









