女の人生と介護


男女平等
まだまだそんな理想は
存在しない。

2018年にもなって、
平成最後の夏にだって
そんな言葉は眉唾物だ。

女はいつだって、
少し損をしているのではないかと
思ってしまう。

いや、損をしているわけではなくて
親から女とはそういうものだと
育てられてきたのだ。

結婚するべき
子供を産むべき
年老いた親の面倒を見るべき……
残念ながら、うちの母親もそういう人でした。
(最近分かったんだけどね)

まあ、たまたま私は結婚は出来て、
子供にも恵まれた。

で。
順調に親の介護にも手を出している。

長女だから、とか
女だからとか
そういうことで引き受けたわけじゃなく、
いろいろと考えて、
私しかいないと思ったから。

幸い、旦那は私に協力的だ。

私の負担が減るようにいつも考えてくれる。
現実問題、いろいろとあって難しいけど。
だから私一人、単身で実家にいるわけだ。

あとね、介護費用って、
単身の利用者の方が安かったりするもんで
そういうことも考慮したら
通いの介護の方が金銭面的には
負担が少ないと納得している。

今は、実家に泊まり込んでるけど、
そろそろ通いに戻すことにしている。

まあ、それで、子供のこともする。
ほぼ、していないから、この8カ月間。
それが、一番私は辛かった。

自宅のことも、子供のことも
思われていたんだよね……たぶん。
通えるだろう?とか。

いやいや、私、まだ辛うじて
シナリオ書いて仕事していますから。
そんな、頻繁に帰れません。

母の三食の支度や、家事だって
あと、メンタル的にも、
介護は私の唯一の仕事を
圧迫している状態なのよ。

本音を言うと。
仕事だけしていたい
……時だってあるんです!

独身者が羨ましい。時だってある。
けれど、私と旦那で作った
家族が大事だから。
これ以上、家族の負担を増やさないために
何とかするんでしょう、これから。

私が。
私の負担は減らない。
増える一方通行だ。

9月から、母はまた元の一人暮らしになる。
私は、通いで介護を続けることになる。

日に二回、母の様子と食事の支度をしに
通うことにしたの。
あれも、これもしないといけなくなるけど、
手に入れる自由度はやや多くなる。

そして、仕事もフルでできる。

ああ、女の人生って忙しいもんだね。
フルで働いて、子供の面倒や二か所の家事して
母の介助もして、母の生活面の金銭管理や
自宅と実家の往復……

そのうえ、私は自分のやりたいことも
諦めない方向で進もうとしているんだから。

女の人生というより、私の人生だ。
男女平等というより、
介護平等になって欲しい。
言葉をかけるだけじゃなくて、
介護をしている人に、
もう少し優しい世の中になったらいいなと
心から願う。

昨日、NEWSゼロで在宅介護の話が
リポートされていた。
子育てと介護のダブルケアで大変な人が、
「両方の話を聞いてくれる場所が欲しい」
と言っていたけど、
それで、解決する?
いや、私は解決しないと思うね。

ただ聞いてほしい時もあるだろうけど、
本音を言えば、
もう一人自分が欲しいんでしょ?

介護に必要なのは、
時間とお金ともう一人の自分。

まあ、ヘルパーさんやデイサービスや
ショートステイはもう一人の自分に
該当するよね。

だけど。
本当に欲しいのは
コピーロボットかも。

もし、身の回りに介護をしている人が
いるのなら……話を聞いてあげることも
いいんだけどね、少しの間でいい。
交代してあげてほしい。

してあげる精神じゃなく、
私も関係あるんだから
当たり前よって精神で。



1.2時間でも、
外にコーヒーを飲みに行けたり
できたのならリフレッシュできる。

(あー、スタバに行きたいな)

時間が提供出来なければ、
金銭的な援助?
うちは年金少ないから、
それでも助かる。

出来ない理由を並べないで、
介護する人間と一緒に
介護に向き合って欲しい。
ここで言いたいのは、
出来ないことを
責めているわけじゃないの。

だってそれで、いいの?
親の最後の時間に、
何もしなかったアナタでいいの?ってこと。

(まあ、母上の子育ての結果ですから
仕方ないんですけどね)

介護なんて、しないでいいなら
それに越したことはない。

だけど、誰にでも老いはやってくる。
親の介護をすることで、自分の人生を、
今後の未来を考えるきっかけになると
私は信じている。

私が通いを選んだ理由は、
たぶん……
そこにもあるんだろうな。

本音を言うと、一人で介護するのに
もう、心は悲鳴を上げている。
限界なのだ。

24時間見守りする生活から
通いに戻して
本来の私を取り戻したい。

今、私は何事にも
向き合わなければいけないんだ。
こんなところで
介護鬱とか嫌でしょ?

介護する人間が
病まないように……

(まあ、私は病まないように行動するけど)

介護はみんなでするもの。
そう、代わってくるといいな。

私しかいないとか、
一人で介護をするとか
そんな気持ちの行き場のない介護が
少しでもなくなりますようにと
願うばかりである。



2018/8/30
西門 檀








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