詩・過去作品4『空の向こうに』から 心の声を聴こう


根拠のない自信にあふれ、
何とかなると生きていられたあの頃。

私は何でも出来るし、
たとえ、出来なかったとしても
軌道修正しながら納得のいく
ゴールを都度迎えることができていた。

時折訪れる、ままならないことなど、
気にもせずに難無く乗り越えて
そうやって生きてきた。

今思えば、それが若さという輝きだったのかもしれない。

いつしか、あんなにあった自信は
ささいなことで打ち砕かれ
かろうじて残ったモノは
もう何をしても輝かない。

『過去の栄光』
というモノになってしまったのだ。

今の私は、人の持っているものを
羨んだり妬ましく思うこともある
あさましい状態だ。

『今まで頑張ってきたのに……
何なの、ここにいる私は!』
と心の中で声がする。

これが自己嫌悪というものなのか。
元々、私の中にあったんだろう。
その声が最近、私を叱咤し始めた。

『今欲しいモノに対して、何も成しえてないと思ってるよね?』

満たされないというこの気持ちのこと?

『成しえたモノもあることを
あなたは数えていないでしょ?』

私が成しえたモノ?

『そうだよ。今だって仕事はあるじゃない』
『それに、自分の家族を作るってことも大変なことなのよ』

ああ、そうか。
そういうところは成しえている。
ご縁があって、少なくてもお仕事があることも
素の自分でいられる場所を持っていることも
私は手に入れていてそこは
唯一の愛ある居場所だ。

じゃ、あとの欲しいモノはどうやって手に入れたらいいのか。
納得のいく未来を手に入れたいの。

『それには行動しかないよ』
『手に入れられるかどうかよりも動き出そうよ』

私に出来るかな……?

『どうやったら出来るかを考えたら?』



……
その行動に恐れもある。
でも、私のほしいものを持っている誰かを
意識する前に、私には出来ることがあるハズ。

未だにままならないことは訪れる。
それは年齢を重ねれば尚更増えるのだ。

『自分を信じて』

私が私であるために。
これからの人生のために。

幾度も私はまじないの様に
心の声を聴いて対話する。



西門 檀

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